「モンサントの不自然なたべもの」自主上映会に参加しました

8月4日(日)14時から、東大和・生活クラブ運動グループ地域協議会主催、多摩きた生活クラブ共催で「モンサントの不自然な食べもの」の上映会を行ないました。私たち東大和・生活者ネットワークも地域協議会のメンバーとして参加しました。

当日は、酷暑の中、日曜日の午後にもかかわらず、140名以上の方がいらして、関心の高さがうかがえました。

この映画は、世界中の遺伝子組み換え作物のおよそ90%を支配しているといわれている、多国籍企業モンサント社の実態と遺伝子組み換えを取り巻く世界各地での問題を取り上げたドキュメント映画です。

そもそも遺伝子組み換え作物がどうして問題なのかというと、自然交配による品種改良とは違い、自然界にないものを作り出すことで生態系を壊す危険性があります。また、食べた時に人体にどんな影響があるのか、いまだ解明されていない点が多いこと。遺伝子組み換えコーンを食べたマウスの実験では、がんを発症したと報告されています。加えて、害虫に強い遺伝子組み換え作物に対し、新しいタイプの害虫が発生して、効能が効かなくなるものもでてきました。

遺伝子組み換え作物の安全性に問題がある以上、摂取を控えるのが一番ですが、実は、その判断基準となる表示がすべてされているわけではありません。日本の場合は、加工食品の原材料のうち重量の多い3番目まで、かつ全体に占める割合が5%以上の場合のみ表示します。しかも、組み込まれた遺伝子やその遺伝子がつくる新たなたんぱく質が最終品に残っている場合のみ表示します。(油や醤油は表示されません)。そのため、気づかないうちに遺伝子組み換え食品を口にしているのです。

映画の中では、生産者の被害も多く報告されています。遺伝子組み換え作物は、その種と農薬のセットで販売されます。繰り返し使ううちに、農薬で枯れないスーパー雑草が生え、それを除くための新たな農薬を買わなくてはならず、負担が増えてしまったケース。広大な土地で広範囲に農薬を散布するため、周辺の住民にも健康被害が広がっているケース。種は一代限りのため、一度、遺伝子組み換え作物の栽培を始めると、毎年、種を購入し続けなければならず、しかも、思うように生産が増えずかえって負担が増大し、自殺者も出ているケースなど様々です。

そのうえ、この遺伝子組み換え作物の種を生産しているのはモンサント社をはじめ、わずか数社のみで、その利益を分け合っています。また、政治家も巻き込み、優遇されているのが実態です。

今後、TPPの参加により、遺伝子組み換え作物の輸入の規制はできるのか、現在日本で行われているような表示さえもできなくなるのではないか、というようなことに注目していく必要があります。

EUでは安全性を疑問視する声が大きく、表示義務などもしっかりしているため、今春、モンサント社はEU進出を断念したとの報道もありました。

私たちが遺伝子組み換え作物をきっぱり拒否できるのか。反対の声をあげていかなければなりません。また、そのためにも、知ることが大事だと実感しました。

今回の映画の第2弾として、「世界が食べられなくなる日」があります。多摩きた生活クラブ生協でも、9月3日(火)に立川市女性総合センター・アイムで自主上映会を行ないます。(実川圭子)