9月議会に提出された安全保障法制関連の2つの陳情について

    国で安保関連法が成立した前日に、東大和市議会最終日において、2つの陳情の採決が行われました。結果は、賛成10名、反対10名同数で、議長判断により不採択でした。全ての会派と無所属2名が討論を行ない、まさに、意見が真っ二つに分かれました。地方議会においても賛否両論、世論においても大きく反対の動きがある中、国会での強行採決は民主主義の崩壊と言われてもおかしくないものでした。

私は、そもそも集団的自衛権を閣議決定で認めたという事自体反対です。それを根拠に法律を制定しても、憲法違反であることは、多くの学者も指摘しています。私は、今の政権は言葉で説明していることと、実行しようとすることにズレがあると感じています。よいことばかりを説明し、裏で起きている重大なことを隠している、あるいは後から出してくるようなことが続いていて、非常に危機感を覚えます。(原発事故処理についてもオリンピックについても)多数の議席を取ったからと言って、すべて議員に任せてやりたいようにさせておくことが民主主義ではありません。各議員は国民の声に耳を傾け、異なる意見とも議論を積み重ねて合意をしながら進めていかなければなりません。そのためにも「おかしいこと」には声を上げ続けていきましょう。歴史上の多くの戦争は国内の(経済などの)問題から目を外へ向けさせるために、外に敵を作って「自国のために」という大義のもと行われてきました。同じ轍を踏まないように、問題の本質に目を向けていきたいと思います。 議会最終日に私が行なった討論です。

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まず、国で審議が続けられています安全保障関連法案に関する2つの陳情についてです。私は、この安全保障関連法案については廃案にすべきと考えますので、この陳情に賛成します。そして、この法案は戦争法案と呼ばれていますが、限定的だろうといかなる理由であろうと許される戦争はないと考えます。

私は、この法案については、大きく2つの論点があると考えます。1つ目は憲法に反する法案であり、また、衆議院、参議院での審議が不十分ながら強権的にすすめているそのやり方が極めて民主的でないように思います。重要な点を閣議決定や職権を使って決めてしまったり、数の力で推し進めています。選挙で多数を占めたからと言って、憲法に反する法を作ってもよいのでしょうか。また、昨日の国会審議などみていても、なぜ、あれほど急ぐのか、国民の理解が不十分という中で、無理な進め方をすることに反対します。

2つ目は、法案の内容そのものについてですが、これまで政府が説明してきた集団的自衛権を極めて限定的に使う例としてホルムズ海峡の機雷掃海については、そういったことはありえないという事を総理自ら認めています。また、武力行使ができることで抑止力が高まると説明していますが、仮にアメリカ軍の後方支援などを行なえば、明らかに日本がターゲットとして狙われる危険は高まります。また、弾薬を運んだり、活動範囲を広げ、自衛隊がいつでも対応できるようになっています。

もし仮にこの法案が成立しても直ちに戦争に巻き込まれることはないとは思います。しかし、法律上は戦争をできる国にしてしまうのです。また、いつでも対処できるようにと防衛費は膨らんでいきます。このまま、法案が強行採決されれば、後世に禍根を残す、歴史上の汚点となることは明白です。未来を生きる人たちに説明がつく、まっとうな判断をするよう求めます。党利党略ではなく、誰のために何のためにそして、本当に今、必要なのか判断するよう求めます。

 私自身は、国民の生命と財産を守るためには、武力に頼らず、9条を誇りを持ってかかげ、平和外交に力を尽くすことしかないと考えます。真の平和と自由と幸福を追求する多くの人々がこの法案の成立に怒りを持って声を上げています。市民に一番身近な議会である私たち市議会も陳情者の声を重く受け止め、国に意見書を提出すべきです。

また、第7号議案のオスプレイの配備については、まさに、私たちの住む東大和市から10km圏内にある横田基地に事故の危険性が高いオスプレイを配備していく事に反対します。よって、陳情を採択し、意見書を提出することに賛成し、討論といたします。(じつかわ圭子)