学童保育時間延長についての条例改正

 現在、市内学童保育所の保育時間は夕方6時までですが、今回の改正で、来年(2016年)4月から夕方7時までに延長されることが決まりました。保護者の働き方が多様化する中、時代の要請に合った改正であると思います。しかし、長時間過ごす子どもたちにとって、学童保育所の環境が整っているかは疑問が残ります。大人の都合により、子どもにしわ寄せがいくようでは本当に豊かに子育てできるまちとは言えません。学童保育の質を確保することも同時に行なっていく必要があります。また、長時間労働の問題や遠距離通勤の問題など働き方を見直すことが、子育て世帯に望まれていることと考えます。

 一方で、市内では日曜日に子どもを預けられる公的機関はありません。働き方が多様化する中、子どもにとっても保護者にとっても満足のいく子育て環境には課題が多くあります。そういった課題を感じている子育て世代の当事者の方が積極的に声を上げて、暮らしやすいまちづくりに参加していただけるようになると、一歩進んだ、安心して生活できるまちになるのではないでしょうか。

 以下は、条例改正について、議会で行なった討論です。

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 今回の改正において、利用時間の延長があげられています。子育て世代の働き方が変化している中、要請に合わせて時間延長を行なうことはやむを得ないと考え、議案には賛成いたします。 一方、学童保育所で過ごす児童の環境については、改善が進まないのが現状です。定員に関しては弾力的運用と称して、基準を上回る人数を受け入れ、学童保育所に入れない児童についてはランドセル来館や学校の空き教室など応急的な対応が続いています。

 学童保育所によっては、保育時間中は外遊びといっても、狭い園庭から外に出られず、学校の校庭開放などとの連携も取れないまま子どもたちは過ごしています。保育時間の延長を行なうのであれば、長時間過ごす子どもたちのことを考慮した環境づくりも同時に進めていかなければならないと考えます。

 私は、子育てしやすいまちづくりを目指す時に、大人の都合を優先することにより子どもへしわ寄せがいってしまうようでは本末転倒だと考えます。子どもにとって最善の方法を考えた上での子育て支援を市には行なっていただきたい。

 保育時間の延長がよいサービス、ととらえていては、家庭で過ごす時間を減らしてしまうような子育て世代の長時間労働の問題や通勤時間の問題など、根本的な解決にはならないのではないかと考えます。

 今後も子育てしやすいまちにしていくため、将来的に何が子育て世代にとってより幸せに暮らしやすいことになるのかを十分考慮した政策を進めていくよう、強く求め、討論といたします。