尾道視察報告

 

「あなごのねどこ」の前で      実は間口は狭いが奥行きはありました。

 

 

「尾道空き家再生プロジェクト」とは、尾道らしい家を一つでも残したいという思いから空き家を再生し、活用していくための事業です。尾道市はこれをNPOに委託し、定住促進のための空き家バンク事業を行っています。尾道らしい景観や地域コミュニティを大事にする人の移住を促進、支援しています。

 

8月4日~5日、日野市議吉岡奈津絵さん・町田市議渡部真美さん・狛江市議吉野芳子さん・日野市民の方と日野・生活者ネットワークの企画で尾道に行きました。

 

                                                                 目的の一つ目は空き家対策についてです。尾道市には駅前に大きな商店街がありますが、空き店舗が目立ちます。また、坂道で有名な斜面市街地は建て替えが困難なこともあり、空き家の活用を進めるため、空き家バンク事業が2009年から実施されています。

 

  初めは市の直営で空き家バンクを実施したが、広がりませんでした。そこで空き家再生事業を行なっていたNPOと連携してまちづくりの観点から事業を行うことにしました。単なる空き家対策ではなく、地域に住む人が地域のために何ができるかを考えて、それを支援するような仕組み(1年目は取り組みの立ち上げを支援、3年間は活動支援、4年目以降は自立できるよう)になっています。

  対象のエリアを「尾道市歴史的風致維持向上計画の重点区域」としている点からも、尾道のまちの文化や歴史が生かされるような取り組みが進められていました。実際に見学させていただいた「あなごのねどこ」はゲストハウスとして簡易宿泊所とカフェになっていました。古い建物もその良さを生かした作りはとても暖かさを感じ、魅力的でした。

  まち全体は「絵画のまち」として、空き店舗や庁舎内にも大きな絵がたくさん飾られていました。夏休みということもあり、路上の至る所で学生が大きなキャンバスを立てて絵を描いていました。

 

 私たち東大和・生活者ネットワークも地域資源の発掘と空き家の調査などの目的で、7月にまち歩きをしました。南街2丁目と5丁目を歩きましたが、まちの現状だけでなく、成り立ちや歴史なども知ることができました。

 

確かに尾道の風致地区はとても魅力的な街並みであり、尾道の方法をすぐに東大和市に当てはめることはできませんが、地域の文化や歴史を活かした空き家対策がまちづくりにつながることを学びました。(じつかわ圭子)