広島県尾道市―視察その2「在宅医療―尾道方式」

尾道市立病院前で

 8月4日~5日、日野市議吉岡奈津絵さん・町田市議渡部真美さん・狛江市議吉野芳子さん・日野市民の方と日野・生活者ネットワークの企画で尾道に行きました。

  尾道視察の目的の二つ目は在宅医療対策について。来年から介護保険制度が大きく変わる中、地域包括ケアシステムの構築が各自治体での課題になっていますが、尾道は、この地域包括ケアシステムのモデル地域でもあり、いわゆる尾道方式と呼ばれています。地域の開業医と急性期病院の市立病院との連携について、尾道市立市民病院で話を伺いました。

 市立病院には地域医療連携室があり、看護師とソーシャルワーカーが地域医療との連携が進むよう、コーディネートし、患者や家族からの相談の窓口にもなっています。

入院患者が退院して在宅や、施設等へ移る際には、退院前カンファレンスを多職種連携のチームで行なうことで、切れ目のない医療・介護・福祉サービスを提供しています。

多職種連携とは医療(病院・診療所・訪問看護ステーション・薬局など)・介護(ケアマネ・介護施設・介護サービス事業所など)・福祉(ソーシャルワーカー・福祉機器業者など)が情報交換や情報共有し、患者に対して方向性を確認する場を設けています。

結果的に急性期病院である市立病院の在院日数は短縮できるとのこと。

尾道方式は元医師会長の強力なリーダーシップから始まったとの説明もあり、医師会の中でのコミュニケーションも綿密で、毎月1回の会合などを行ないながら交流しているとのこと。

高齢化率32.5%という状況で、地域医療をどうしていくか、チームで一丸となって患者さんのために取り組んでいる様子がよくわかりました。また、中核病院を元に、地域医療連携室のようなコーディネーターの必要性を強く感じました。

今回の視察の中で、他に、地域の開業医の方の様子を伺う機会もありました。そのなかで、カンファレンスや書類の作成にかかる時間などについての負担感があるなどの課題も知ることができました。

東大和市の地域包括ケアシステムをどのように構築していくかについては、やはり、医療・介護・福祉がばらばらに対応するのではなく、トータルでコーディネートできるような仕組みを整えていくことが、患者にとっての安心につながると思います。

                 (じつかわ圭子)