東京・生活者ネットワーク 新春の集いに参加して

「自治体と民主主義 議員に求められるもの」 杉田敦さん(法政大学法学部教授)

1月26日東京・生活者ネットの新春の集いで講演された杉田先生のお話に地域ネットの役割の大切さを実感しました。
杉田先生は政治学政治理論が専門で政治権力などに詳しい先生です。始めは政権交代後の現在の国政の状況を、「政治主導」という言葉をキーワードに説明してくださいました。政権交代により、「腐敗した慣習を刷新し、政策の軸が変わる」ことを期待した国民は、裏切られ幻滅しています。「政治主導」は官僚やメディア、との関係を断ち、政府 対 党、内閣 対 議会 という構図を生み、議会軽視の運営になっているということです。
これからの議会で大切なのは『議会を<決定の場>だけではなく<討議(熟議)>の場へと変えていく』ことです。そして、審議を尽くした結果、修正や調整がされてこそ議会の役割があるということです。「議会を議論の場にする」というのは生活者ネットワークがめざしている議会の姿であり、形骸化している議会を変えていくのはやはり生活者ネットワークの役割であると強く感じた講演会でした。
また、30年以上生活者ネットワークが訴え続けている「人々の生活に直接かかわる子育て・介護・福祉・環境などの政策(先生はポスト産業社会型政策と呼んでいました)」がこれからは重要であるという言葉も、今後私たちが政策を進めていくうえで勇気づけられる言葉として心に響きました。

第2部はたくさんの方を来賓にお迎えしての交流会になりました。関係団体の代表のあいさつを、NPO法人アビリティクラブたすけあい副理事長で、東大和・生活者ネットワークの元市議会議員花山由美子がおこないました。4月の統一地方選候補者の49名と推薦1名の計50名の紹介や新春らしく和太鼓の演奏などもありました。しかし、政治情勢を反映してか、華やかな雰囲気はというよりも、これから選挙に向けて、気を引き締めて頑張っていかなければならないという、地道な活動の大切さを感じた交流会でした。  
(じつかわ圭子)