昨年、空堀川を考える会が事務局となって、市内高木橋付近を中心に、川流域の住民約500名にアンケートをとりました。アンケート内容は現在流れている川を新しい川が完成した後も残すかどうかということです。
東大和市内で空堀川の河川工事が進められていますが、現在進められている高木橋から上流東芝中橋までは今流れている大きく蛇行した川と新しく工事している直線の川とで、流れが大きく離れています。空堀川の下流部の清瀬市や東村山市では、旧川は埋め立てられている場所が多いですがあまり有効には活用されていないようです。空堀川を考える会では旧河川を残して市民に親しめる水辺の公園のようにならないかと考えています。工事を進めているのは東京都ですが、東京都の計画では今のところそのような計画にはなっていません。ですから、私たち市民が特に要望しなければ今までの例からして、水辺を残すことはないと思われます。では流域市民の皆さんはどのようにしたいのか?知りたい…。ということでアンケートを取ることになりました。結果は8割近い人が今までの河川を残したほうがいいということでした。旧川を残すには市民の声をひろげていって要望していかなければなりません。工事はどんどん進んでいきますので、のんびり構えていてもいけません。川を残すにも今のままでは蛇行している川の流れは良いのですが、護岸をもっと整備して、水に入りやすい部分と植物や生き物を保護する部分などをつくったり、水量や、水質の問題も考えなければなりません。豪雨の場合や水が少ない場合、新旧の河川でどのように水の流れを分け合うかなど、難しい問題も出てきます。しかし、そこは行政の専門家と話し合い、市民と行政が一緒になって(協働で)できれば良い川になると思います。市民が親しめる川になれば人も集まり憩いの場となって、東大和の新名所にもなることでしょう。
東大和市は多摩湖周辺の狭山丘陵という素晴らしい緑があるまちです。さらに市内の中心を流れる一級河川の空堀川に親水性のある水辺が整えば、『東京のオアシス』として特色あるまちになっていくと思います。川の流域は長く続くグリーンベルトとして、積極的に緑を増やしていきたいものです。東大和市の環境基本計画で水と緑のまちづくりをめざすなら、前川・空堀川・奈良橋川を治水のためだけの川ではなく、川の流域の緑を大切にし、街路樹も含め、連続性のある緑で緑あふれる東大和を目指したいです。
(じつかわ圭子)