年度末のため、予算審議が3日間ありました。国の税と社会保障の一体改革の先行きが不透明な中、景気の低迷、震災の影響や円高など経済的には厳しい状況で、平成24年度の市税収入は3.2%の減収、一般会計は前年度に比べ7200万円減の269億700万円の予算で可決されました。市の予算は市税収入が全歳入の43.2%で、残りはおもに国や都からの交付金です。市債は、全歳入の6.4%あります。特別会計と合わせると予算総額は、439億5785万7千円です。
歳出の主なものとして、民生費(高齢者・障害者・こども・生活保護など福祉的な予算)が全体の半分以上の53.8%を占めています。次に教育費が9.7%、総務費8.7%、衛生費(検診や予防注射など保健事業とごみや環境など)が8.0%となっています。
今回、予算書を見て気になったこと。子育て支援費として、3778万4千円計上されました。そのうち、544万7千円が一時保育などで預ける保護者負担額です。残り3233万7千円はすべて国や都の交付金や補助金です。つまり、市の一般財源からは1円も拠出しない予算です。厳しい財政の中、工夫をして交付金などをうまく活用している苦労は分かります。しかし、国や都は本来、子育て支援をすすめるためにたくさんの交付金や補助金を出しているのに、その範囲で収めてしまってよいのでしょうか。もう一歩進んだ子育て支援をするための補助金であり、補助金を利用して、しっかりとした支援を組み立てていく必要性を感じました。この点は今後も指摘していきたいと思います。
また、生活保護費が膨らみ続けています。この点は、就労支援などと合わせて対策が必要なのではないかとの質問も出ました。取り組みはしているようですが、就労支援の成果以上に、保護の対象者が増えているのが現状のようです。しかし、この点を予算書で見てみると、30億円近い生活保護費の4分の3を国が負担しています。そして残り4分の1の7億円余りを市で負担をすることになっていますが、実際は地方交付税交付金で補填されています。実質負担がないということで、生活保護受給者が増えることに危機感が薄いのではないかと感じます。本気で就労などに結び付けていく取り組みが必要だと考えます。
(じつかわ圭子)