戦後70年 平和の集いと旧日立航空機変電所の保存運動
今年は、戦後70年という節目の年であり、市内でも様々な平和イベントが企画されています。国では安全保障制についての議論が日を追うごとに不信感が増し、ますます戦争に巻き込まれてしまう恐れがあるのではないかという不安が募る中、広島・長崎の原爆の日、終戦記念日の夏がやってきました。
戦争体験者が高齢化する中、体験を語り継ぐ方も少なくなり、戦争が遠い世界のファンタジーのように捉えられ、その残酷さ、悲惨さを日常生活の中では忘れてしまっている私たちは、時折、平和を実感し、これからの平和維持のために努力を重ねていく必要があると考えます。私は、「理由をつけて許される戦争などない」と思っています。政治家主導の国際紛争の武力による解決は望みません。民間が行なってきた国際交流を深めることでこそ平和的に解決ができると考えます。
そういった、戦争について思いをめぐらせる機会を作るためには、戦争遺跡に向き合うことが一つの方法です。東大和南公園内の旧日立航空機変電所は「西の(原爆)ドーム、東の変電所」と言われるほど、戦争の傷跡を残した建物です。約20年前に市民による保存活動がおき、市の指定文化財になりました。壁面に3回にわたる弾痕の跡があるが、コンクリートの劣化を防ぐために壁面にシリコンのようなもので覆い、風雨を防ぐ必要があります。保存のためには多額の費用と多くの方の理解が必要です。
今後寄付を募ったり、都に文化財指定を求めたりといった活動が市内でも起こってくるでしょう。あわせて、市では毎年折鶴を市民の方々に制作していただき、広島平和記念公園内の「原爆の子の像」へ捧げています。私は、この制作した折鶴をこの変電所内に飾り、みんなが見られるようにしていくとよいと考えます。変電所内を市内戦災の記録などを展示できる資料館などにしていきたいと思います。老朽化した建物が常設展示に耐えられないようでしたら、すぐ近くに別棟であってもよいかと思います。ひとりでも多くの方に関心を持ってもらえるようにしていきたいです。 (じつかわ圭子)
*************************************
この夏、「戦災変電所を保存する会」が8月8日に、市が9日に戦災遺跡の変電所に関する講演会を開催しました。11日から23日までは変電所内を特別公開しています。
15日には17時35分から平和の集いも開かれます。コンサートや朗読劇など。
郷土博物館や玉川上水駅前のふれあい広場でも関連した展示を行なっています。
他にも平和文集や、戦争体験の映像記録の貸し出し、市の行政コーナーでの特集などもあります。