3市共同資源物処理施設に関する陳情について

 9月議会では3市共同資源物処理施設について、2つの陳情が審議されました。1つは建設を進めるよう求める陳情、もう1つは建設を中止するために都市計画決定中止を求める陳情でした。 市議会でも意見が分かれ、結果は、建設を進めるよう求める陳情が不採択となり、都市計画決定中止を求める陳情が採択となりました。 しかし、市議会の決定にもかかわらず、4団体(小平市・武蔵村山市・東大和市・一部事務組合)は建設にむけて粛々と進めています。 私は建設を進めることに賛成の討論をしましたが、議会の決定の意義は何なのか、疑問に感じます。議会の存在意義にもかかわる問題だと考えます。

以下は、本会議での私の討論です。容器包装プラスチックの処理の問題は、施設建設にかかわらず、持続可能な社会にとって考え続けなければならない大きな問題であると考えます。

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29第6号陳情「(仮称)3市共同資源物処理施設に関する陳情」に賛成、29第7号陳情「小平・村山・大和衛生組合資源物中間処理施設に関する陳情」に反対の立場で討論します。

まず、ごみの処理に関して私の考えを述べさせていただきます。理想として目指すべきは、ごみを出さない生活を送ることです。先の時代のように生ごみは土にかえし、木や紙は庭先で燃やす。しかし、その様な生活を送ることは今のような暮らしを続ける限り難しいことです。できるだけプラスチック類やペットボトルや化学物質が含まれるものを使わないような生活を送ろうとしても私たちの身の回りにはそういった製品があふれています。

では、それらを廃棄する時にどのようにするかですが、私は焼却することはできるだけ少なくしたいと考えます。確かに、現在の容器包装プラスチックのリサイクルに関しては不合理な部分が多々あると思います。リサイクルといってもプラスチック製品として生まれ変わるのはわずかで、多くは炭酸ガスにしたり、燃料として燃やされています。それなら、わざわざ分別するよりも分けずにすべて燃やして熱回収をするサーマルリサイクルを進めればよいという考えもあります。しかし、先ほど述べたように私は基本的には焼却するのは最小限にしていくべきだと考えます。その理由の一つには、化学物質の塊であるプラスチック類を燃やしたときに排出されるガスについて、微量ながらさまざまな物質がでているからです。また、CO2の排出も当然増えます。燃料として燃やせば、その分他のエネルギー消費を抑えることにもなりますので、同じ焼却でも、焼却炉での焼却と燃料としての焼却では違いがあります。そして何より容器包装プラスチックを焼却すればごみ減量化はますます進まないと考えます。焼却よりはリサイクルを進めるという組合の姿勢には賛同いたします。

また、ごみの施策についてはごみの減量化が何よりも必要です。日々出し続けるごみを減量するための施策を東大和市では有料化と合わせて推進してきました。その成果も現れてきているところです。その施策を3市で共有し、統一していくことで3市のゴミを減量していかなければなりませんが、東大和市は積極的にごみ減量化のノウハウと有効性を他の2市にも伝えて推薦していくべきです。

容器包装リサイクル法や廃棄物処理法にのっとって進めてきた3市共同資源物処理施設は日々排出されるごみを衛生的に処理するために建設すべきです。一方で、ごみ減量を一層進めるためには、拡大生産者責任のあり方を見直す必要があります。そして何より消費者が何を使うか、その行動により変えていかなければなりません。手間を省き、便利さや見栄えや衛生さや安さを求めた結果、使い捨て容器や個別包装の商品が爆発的に増えました。その廃棄物処理を自治体がどこまで担うのか、その方法については自治体間で統一されていない現状も混乱を招いています。使用している原材料も細かく分ければ多岐にわたります。廃棄する時のことを考えた商品作りを進めていく必要があります。分別してリサイクルを進めたからといってごみが無くなるわけではありません。必要ないものは使わないリデュース、繰り返し使えるものは使うリユースを進めていくことで総合的にごみ減量を図っていかなければなりません。

また、ごみ処理には多額に費用が掛かっていることを客観的なデータとして公表していくことで市民の方々の意識も変わってくるかと思います。経費をわかりやすく伝え、減量されたら、その効果はどうだったのか、その減量された分の金額で他の事業の実施ができたら、減らしがいが出てくるのではないでしょうか。

次に周辺住民の方からの環境への懸念について述べたいと思います。計画されているリサイクルセンターの敷地面積は3市の処理場としては確かに狭いと感じます。周辺には集合住宅も多くあります。そのため、大気汚染防止法の対象施設ではありませんが、VOC対策を施した施設の建設予定です。全く排出しないというわけではないという職員の答弁は誠実だと考えます。なぜなら、VOCはさまざまな生活環境の中でも測定されるものだからです。今後取るべきは、施設稼働後、万が一基準値を超えるような場合、ただちに稼働を中止し、原因の究明と対策をおこない、速やかに公表していく体制をつくることだと考えます。

最後に、3市共同資源物処理施設整備地域連絡協議会について述べさせていただきます。45回を超え、参加された住民の方々の熱心なお取り組みには頭が下がります。しかし、回数を重ねても合意に至らない会議は住民の方々にとっても組合側にとっても不幸な状況になっているとおもいます。意見や立場の違いがあるのは当然ですが、それ以前にまず、何のための協議会なのか、その目的とするところから、ボタンのかけ違いが起きているのではないでしょうか。そして、この3市共同資源物処理施設建設に関する議決機関である組合議会と連携の取れていない協議会の話し合いはガス抜きとしか思えません。協議会を作る際、私は住民の方々の懸念やご意見が反映されるような会を求めて賛成しました。しかし、想定地からの見直しを求める再三の住民の声は反故にされ、そこまで計画を立ち戻れなかった組合と組合議会の対応がかわらないまま進められてきた結果が現在の状況だと考えます。

これまで、組合理事者側は周辺住民の理解が十分に得られていない状況もあるが、必要不可欠な施設だから建てるということを4団体で確認していると説明してきました。周辺住民の理解が得られるような努力はどれだけされてきたのか、疑問に思います。また、私は必要な施設だと考えますが、不可欠かどうかは疑問に感じています。なぜなら、現在の当市での容器包装プラスチックは民間業者で処理をしていただき、なおかつ、経費も直営で行なうより少なくできていると考えるからです。しかし、現在は市外の事業者に頼っています。市内にそのような事業者を育ててこなかったということも一つの原因になると思いますが、今後、近隣市外の事業者やその立地自治体に受け入れてもらえるか、また、仮に受け入れてもらえたにしても、遠くなればなるほど運搬経費も掛かってきます。15年後、20年後と考えた場合、果たして民間事業者のほうが良いという確信が私自身持てません。

以上のような理由から、現状を考慮し、他の選択肢を選ぶことにつき疑念を払拭できないことから、現在計画中の施設建設に賛成し、第6号陳情に賛成、第7号陳情に反対いたします。以上討論とします。