大牟田市「まちで、みんなで認知症をつつむ」

福岡県大牟田市行政視察(2016年1月14日 14:30~16:30)

 大牟田市は人口約12万人、高齢化率33.8%。「認知症になっても誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくり」を目指して、早い時期から取り組みを始めている。

 まず、2000年に介護保険がスタートする直前に、市が事務局となり、介護サービス事業者協議会を、市と事業者の多職種協働の介護保険運用とサービス向上のためにつくった。その構成員の認知症ライフサポート研究会が認知症対策で主体となって企画などしている。

 2002年に認知症介護に関わる実態調査を行ない、地域づくりと子どもの時から学ぶ機会を作るという事などがキーワードとなり、「認知症ケアコミュニティ推進事業」がはじまった。

 主な取り組みは次の4つ。認知症コーディネータ養成研修で、人材育成に取り組む。介護予防教室で早期支援。小中学校の絵本教室で子どもの時から学び、サポーターの層を広げる。SOSネットワークと模擬訓練を行ない地域づくり。

 認知症SOSネットワーク模擬訓練(徘徊模擬訓練という言葉は適当ではない、という意見が出て使用しなくなった)は、実行委員会形式で行っています。全国に先駆けて12年前から始め、毎年1回、全小学校区21カ所で一斉に行い、今年は3127人参加。認知症サポーター養成講座の受講者は累計約13千人。

 絵本を利用した小中学校での取り組みは認知症への理解者を増やすとてもよい方法だと思いました。

  庁舎は1936年に作られ、国の有形文化財に指定されている趣きのある建物でした。

(じつかわ圭子)