「東大和市子ども・子育て憲章」について

2020年2月21日の本会議において、「東大和市子ども・子育て憲章」が可決されました。私はこの憲章は子どもの権利に反するものと考え、修正を求めてきました。また、パブリックコメントで出された多くの市民の意見も反映されることなく、議会では、3分の1の議員が反対する中、可決したことは非常に残念に思います。

さらに、この憲章について2つの陳情が出されていましたが、議会初日で憲章が可決したことから審査を行いませんでした。陳情を審査しない議会は、本当に市民のための議会になっているのか疑問です。本来なら、陳情を先に審査し、その上で憲章について審査すべきだったと考えます。

「日本一子育てしやすいまち」として掲げる憲章が、一致して誇れるものとならなかったことについて、私は見直すべきと考えますが、そうでなければ、この憲章を補完する意味でも、子どもの権利条例を制定するべきです。

以下、本会議における私の反対討論です。

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子どももひとりの市民として生活していながら、選挙権もなく、子どもを守る大人がいなければ生きていくことができません。しかし、子どもを守るはずの大人による虐待など深刻な状況が東大和市でもおきています。また、子どものためによかれと思っての大人の言動に追い詰められ、生きづらさを抱え、不登校や引きこもりになってしまう子どもたちもいます。子どもの権利について「わがままを許すのか」と反論する方は、もう今の時代にはいないと思います。大人の価値観や主張を押しつけるのではなく、子ども自身が持っている力を伸ばして育てることで、子ども達は自信を持って成長することができます。約束を守れても守れなくても、どんな子どもであっても、東大和市に生まれてよかった、住んでいていいんだ、0歳の赤ちゃんから18歳まで誰でも、無条件に守られ育つ権利を有している、ということが感じられる温かみを持った憲章を望みます。

現在の子ども子育て支援事業計画の基本理念は「あふれる笑顔で豊かな心と幸せを育むまち東大和」であり、この上位に位置する理念や方針を、この子ども・子育て憲章が示しているといえるのか疑問です。具体的な行動を示した子ども・子育て憲章が「理念や方針」を表していると位置づけるのは無理があります。

「子ども達も入って考えた」ことは、子どもの参加を実現したことであり、評価します。しかし、その会議の進め方については、疑問が残ります。顔を合わせた会議に子ども達が出席したのはひとり1回だけです。1回目の会議の時にはすでに案を持ち寄っていますが、その時にはどのような方向性を持った憲章を作るかが示された後です。子ども達が一から考えたとはいえません。憲章を作るに当り、子どもの権利について説明もしていません。さらに、今後、例えば、この憲章が批判されるようなことが仮にあった場合どうでしょうか。「だれがこの憲章作ったんだ?」と聞かれ、「子どもたちが一緒に会議に入って作った」ということを、言い訳に使われるとしたら、参加した子ども達に責任を負わせてしまうことにならないか、心配です。その点は十分配慮していただきたい。

私は憲章を作ることに反対ではありません。むしろ、日本一子育てしやすいまちにふさわしい憲章があったら、子ども達も誇りに思って育つことができるだろうと考えます。そのうえで、憲章を作ることを急がずに、中身をよりよいもの、多くの市民が共感し共有できるものとなるよう、検討を続けてほしいと考え、ここではあえて反対させていただきます。

これまで検討してきたこと自体を否定するものではありません。よりよいものにするために、段階を踏んで、この憲章をベースとして、小中学生や保護者、多くの市民に意見を聴いて修正すべきところは思い切って修正をすることを求めます。

ダメなものはダメというときの捉え方は人によって異なります。大人がよかれと考えたことでも子どもから見たら押しつけの権利侵害になることがあり得ます。今後、この憲章が憲章として残るのであれば、子どもへの権利侵害が起こらないよう、子どもたちが追い詰められることがないよう、大人の価値観を押しつけられることがないよう、子どもたちがいやなことはいやといえる、意見を表明ができるようにすべきです。万が一子どもに不利益なことが起きたら救済できるような仕組みを、子どもの権利条例として作ることを改めて強く求め、討論とします。